「猫の恩返し」で圧倒的なカッコ良さを見せているバロン。
「バロン」という名前は本名ではなく、あだ名のようになっています。
では彼の本当の名前とは何なのでしょうか?
また、他にも「猫の恩返し」には正体が気になるキャラクターが。
今回はバロンの真の名前や、注目されている「あるキャラ」の正体について迫ります!
「バロン」ってどんな意味?本当の名前も発覚!
「バロン」は中世ヨーロッパで使われていた位を表します。
日本語に訳すと「男爵」です。
「耳をすませば」のバロンの持ち主、西司朗は「男爵」と呼んでいましたね。
彼の本当の名前は「フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵」といいます。
とても立派な名前ですよね!
名前を調べてみると、これはドイツあたりの名前だそうです。
それもそのはず、バロンは西司朗がドイツに留学していた時に出会った人形だからです。
そう、彼の正体は人形だったのです。
職人が魂を込めて作った素晴らしい作品で、西司朗が一目惚れして譲ってもらったという経緯がありました。
そこへ命を吹き込んだのは「耳をすませば」の主人公、月島雫。
彼女がバロンを主役に書いた物語が「猫の恩返し」なのです。
名前はそのままに、バロンの正体は猫の事務所の探偵ネコとして困りごとを解決していく物語。
しかし、「耳をすませば」で雫が書いていた小説とは異なるストーリーになっています。
そのことから、「猫の恩返し」は彼女が大人になってから書いた完成された小説だとされています。
「猫の恩返し」にも活かされていた、バロンの恋人の正体
「猫の恩返し」に登場するバロンの猫の事務所。
その壁には綺麗な女性ネコの肖像画が・・
彼女はバロンの恋人とされていますが、その正体とは?
その答えは「猫の恩返し」ではなく「耳をすませば」にありました。
バロンはドイツで西司朗が見つけたと先述しました。
その際、お店の店主は簡単に彼を渡そうとしなかったのです。
その理由は、彼には恋人ネコの人形がいて、彼女は今修理に出してしまっているから、と。
恋人同士を離れ離れにしたくない、という店主の思いが込められていたのですね。
それでもバロンの魅力に惚れ込んでしまった西司朗は、何度も店へ通っていました。
そんなある日のこと。
日本への帰国日が迫っていた西司朗は、お店の人にバロンを譲ってくれないかと根気強く頼んでいました。
そこへ突然、正体は明らかにされていませんが、ルイーゼという女性が現れました。
彼女は、恋人ネコの人形を自分が引き取り、必ず彼と再会させると言ってくれたのです。
こうして店主はようやく承諾し、西司朗はバロンと一緒に日本に帰ることができました。
ところが、その後すぐに戦争が始まってしまい、なかなかドイツに行くことができませんでした。
再びドイツに行った時には街もすっかり変わってしまい、ルイーゼを見つけることができなかったのです。
ちなみに、恋人ネコの名前は「耳をすませば」でも「猫の恩返し」でも明らかにされていません。
ルイーゼという名前が挙げられますが、それは恋人ネコを引き取った人物の名前ですので、人形の名前ではないんですね。
結局、そのまま再会することができなかった2人。
切ない恋物語ではありますが、恋人ネコもどこかに存在はしているはず。
いつか2人がまた会えることを願って「猫の恩返し」にも肖像画として描かれていたのかもしれませんね。
バロン以外にも正体が気になるキャラクター、トト
バロンと恋人猫の正体がわかったところで、他のキャラクターにも目を向けてみましょう。
今回は「猫の恩返し」で数少ないネコ以外のキャラクター、カラスのトトの正体を探ります。
トトといえば可愛らしい名前とは裏腹に、ネコのムタとよく喧嘩をしています。
実は、彼の正体は石像。
バロンと同じく、その正体は人によって造られたものというわけなのですね。
猫の事務所はいつも開いているわけではありません。
「猫の恩返し」の中でも、夕陽が沈みかけて西日が強く照らした時、事務所が動きだしました。
そのタイミングに合わせて、人形のバロンも、石像のトトも知性を持って自由に動けるようになるのです。
それを考えると、ムタだけは正体が人形ではないので不思議な存在ですね。
トトは「猫の恩返し」ではカラスの姿でしたが、原作の小説ではカササギでした。
カラスと似た個体ですが、模様が少し違うのですね。
そんなトトが「猫の恩返し」で最も活躍するのはなんといってもラストシーンでしょう!
空から真っ逆さまになって落ちてくる主人公のハルとバロン、ムタ。
その時、黒い渦が3人を覆ったかと思うと、それはカラスの大群でした。
トトが仲間に声をかけて助けに来てくれたのです。
トトがいなければ助かる手段がありませんでしたので、まさに救世主として活躍していたのです。
まとめ
「猫の恩返し」のバロンとその恋人ネコ、そしてトトの正体にまで迫りました。
キャラクターの本当の名前や背景を知っていくと、更に物語を楽しめますよね。
実は、宮崎駿監督の構想ではバロンとムタのコンビが難解な事件を解決していくミステリーを想定していたとか。
もしその設定ならば、トトは出てこなかったかもしれませんね。
様々な構想や変更を経ながら完成された「猫の恩返し」。
多くのキャラクターが登場するので、お気に入りのキャラクターを見つけて調べていくのも面白そうですね!