第二次世界大戦の終戦を目前にした神戸に住むある兄妹の物語。
涙なしで見ることはできませんので、鑑賞時にはハンカチ必須です。

今回は映画「火垂るの墓」のあらすじやネタバレ、結末(ラスト)まで公開します!

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映画【火垂るの墓】の作品情報

©︎東宝
制作年(国名) 1988年(日本)
公開日 1988年4月16日
上映時間 88分
ジャンル ジブリ
監督 高畑勲
主要キャスト 辰巳努
白石綾乃
志乃原良子
山口朱美
配給会社 東宝

映画【火垂るの墓】のロケ地

JR三ノ宮駅


戦争当時の跡が残っているそう。銃弾の跡でしょうか。

西宮 ニテコ池


清太と節子がホタルを見た池。2人で生活を初めた防空壕はこの池のほとりだそうです。今でもホタルは飛んでいるそうで、近くの夙川と合わせて人気スポットになっているようです。

香櫨園浜


”こうろえんはま”と読むそうです。清太と節子が2人で水浴びをしていたのはこの浜辺。

映画【火垂るの墓】の主題歌

挿入歌として原題は「Home Sweet Home」という曲が使われました。
邦題の「埴生の宿」の方が聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
歌:アメリータ・ガリ=クルチ

映画【火垂るの墓】の過去視聴率は?

2007年9月21日 7.7%
2009年8月14日 9.4%
2013年11月22日 9.5%
2015年8月14日 9.4%
2018年4月13日 6.7%

終戦の頃の物語なので、放送も各年8〜9月に放送されています。

2013年11月は高畑勲監督の新作『かぐや姫の物語』公開記念として、また2018年は高畑勲監督の追悼として4月に急遽放送されました。

映画【火垂るの墓】の評価

3.8/5

予告編・予告動画

予告編

作品概要

1988年に「となりのトトロ」と同時上映された高畑勲監督によるアニメーション映画。終戦を目前にして家族も家も何もかもを戦争に奪われてしまった14歳の清太と4歳の妹の物語。

誰もがその日を生きるのに精一杯だった時代。幼い兄妹が生きるためにとった行動とは・・・。

登場人物(キャスト)

清太/辰巳努

父親が戦争に行ってしまったため、一家を支えようと奮闘する14歳の青年。

母親も家も失ってしまったことで、一緒に生き残った妹、節子だけは自分が守ると、何よりも節子を考えて必死で生きる。

節子/白石綾乃

清太の妹、4歳の女の子。おかっぱ頭で笑顔が可愛らしい。ドロップが好きで、清太からドロップをもらえると大喜び。

4歳ながらご飯を準備しようとしたり、葉っぱを使って家の前を掃除しようとしたり、清太と一緒に生きようとする。

親戚のおばさん/山口朱美

西宮に住んでいる、清太たちの遠い親戚。清太たちを住まわせてくれるも、まだ4歳の節子に対しても厳しく対応する。

映画【火垂るの墓】のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

ネタバレ注意

ここから先はネタバレを含みます。まだ知りたくないと言う場合はご注意ください。

映画【火垂るの墓】のあらすじ【1/4】

第二次世界大戦直後の昭和20年9月21日。
神戸駅の構内で、ある14歳の少年が息を引き取りました。彼の記憶を辿る物語が始まります

終戦が目前に迫っていた頃の神戸。病気を持つ母と4歳の妹、節子と暮らしていた14歳の清太。父は海軍大尉だったので家に居ることはできず、清太が家族を守っていました。
そして昭和20年6月、神戸が空襲を受けてしまいます。母を先に避難させてから節子をおんぶして逃げようとした清太ですが、逃げ場を失ってしまいます。やっとの思いで脱出できた清太は、避難所である学校へ向かいます。

しかし、ひどい火傷を負ってしまった母は亡くなってしまいました。節子は母が死んだとはまだ認識できず、母を恋しがって泣いています。清太は西宮に住む遠い親戚に節子をお願いし、母の火葬場へ行きました。他の遺体と一緒に大きな穴に放り込まれ、焼かれていきます。

親戚にも母は入院していると伝え、死んだことを隠します。妹の節子に母が死んだことを知られることをどうしても避けたかったのです。

映画【火垂るの墓】のあらすじ【2/4】

清太たちの家も焼けてしまったので暫くおばさんの元に置いてもらうことになりました。家は焼けましたが、庭に埋めてあった保存食は無事だったので食料を全部おばさんに渡しました。ただし、ドロップ缶だけはこっそり清太が持っていました

食料を見たおばさんは機嫌が良くなりました。そのタイミングを見て、清太はおばさんに母の死を伝えました。

その夜、清太と節子はお風呂を借りた帰りに沢山のホタルを見ました。喜ぶ節子を更に喜ばせたのは、清太がくれたドロップでした。

日が経つに連れ、働きもせず家事も手伝わない清太たちを見て、おばさんの苛立ちは増していきます。清太の父親からは未だに何の連絡もなく、清太たちは耐え続けるしかありませんでした。

おばさんがついに清太たちの母の着物を米に替えると言い出しました。節子は母の思い出を取り上げられるのが嫌で、激しく拒みましたが適わず、着物は米となりました。

その着物で得た白いご飯はやはり美味しく、節子も大人しくなりました。しかし、雑炊の味が薄いと言った節子におばさんは腹を立て、文句をつけるなら自炊をしろと言い出します。

清太は母が残してくれた貯金を使って調理道具を揃え、自炊を始めました。そのことがまたおばさんの癇に障り、おばさんの意地悪はますます酷くなる一方でした。

映画【火垂るの墓】のあらすじ【3/4】

池の傍にある防空壕を見つけた清太は、ここで節子と暮らすと決めました。節子も、おばさんを嫌っていたので大喜びです。おばさんには出ていくとだけ伝えました。ここから兄妹2人だけの生活が始まりました。

2人の家は防空壕なのでもちろん明かりなどはありません。夜も暗闇なので節子が怖がって泣いてしまいます。そこへ、清太がホタルを持ってきました。ホタルの明かりが2人を照らします。

朝になると、節子が死んでしまったホタルのお墓を作っていました。その時、節子が「お母ちゃんもお墓に入ってんねんやろ」と、清太に聞きました。まさか節子が母の死に気づいていたとは思ってもいなかった清太は、涙を止めることができませんでした。

最初こそ2人だけで気ままに楽しかった生活ですが、すぐに食料が底をつきます。近くの農家に掛け合いますが、お米は分けてもらえません。小さな節子は段々と弱っていってしまいます。節子に食べ物を与えたい一心で、清太は農家から盗みを働くようになっていましたが、それも見つかってしまい、酷くお仕置きをされてしまいます。そんな仕打ちに合ってさえも、湿疹や下痢の続く節子にちゃんと食べ物を与えたいと必死で食料を集めていました。

映画【火垂るの墓】のラスト・結末(ネタバレ)【4/4】

しかし、ある日清太が防空壕へ戻ると節子が倒れてしまっており、すぐに医者に診てもらいましたが、栄養失調なのでとにかく栄養のあるものを口にするしかないと言われます。

残りの貯金を全て下ろして食べ物を確保すべく、銀行へ向かった清太。しかしそこで日本の敗戦を知り、希望の綱だった父さえも死んでしまった事実を突きつけられてしまいました。

ショックを受けながらも、やっと手に入れたスイカを節子に持って帰り、食べさせようとします。しかし、節子はスイカさえも食べることが出来ないほど弱っていました。意識が朦朧とする中でも、清太にお粥を作るから待ってて、と言いながら小石をくれた節子。そのまま目を開けることはありませんでした。

清太は1人で節子の遺体を焼きました。最後の最後、遺骨だけになるまで、ずっと見ていました。節子が大好きだったドロップ缶に節子の骨を入れ、清太は防空壕へは戻りませんでした。

昭和20年9月21日、神戸駅構内に居た清太はドロップ缶を横に置き、旅立ちました

映画【火垂るの墓】のココが見どころ↓

垣間見える2人の笑顔

©︎野坂昭如/新潮社,1988

戦争中で苦しい生活が続く中でも、兄妹の笑顔が出るシーンではホッと和みます。楽しそうに無邪気に笑う節子。節子が笑っているときは清太も心から笑顔になれているように見えます。

可愛らしい節子

©︎野坂昭如/新潮社,1988

節子がとにかく可愛らしい・・・!まだ4歳の節子は喜怒哀楽が激しく、表情がコロコロ変わります。しかし、一生懸命生きようとドロップのカケラで我慢したりする姿がまた愛おしくなります。

リアルに描かれた現実

©︎野坂昭如/新潮社,1988

戦争や貧困がどのように人間の心を変えていくのか、アニメーション映画の中でもリアルに描かれている作品です。特に、親戚のおばさんの清太たちに対する態度は様々な考察がありますが、もっとも人間らしさを感じてしまいます。

感想・レビュー・口コミ


誰もがただ生きたいと思っていただけ。今普通に生活していることに感謝を忘れてはいけませんね。

https://twitter.com/QtMIUKMqvGh6EpF/status/1093087030714654720?s=20
物語の中に度々出てくるこの缶も忘れられません。私も子供の頃白いハッカ飴は缶に戻していました・・。


タイトルの「火垂る」にはそんな意味が・・・!?

まとめ

と言うわけで、映画「火垂るの墓」のあらすじやネタバレ、結末(ラスト)についての紹介でした!

毎年、夏になると思い出すこの映画。戦争中に生きた人々の現実を伝えてくれる、忘れてはならない映画ですね。

ではまた次回!

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