
「猫の恩返し」はタイトルの通り、ネコによる恩返しの物語。
ある日、車にぶつかりそうだったネコを助けた主人公のハルは、その恩返しにと猫の国へ連れて行かれそうになっていました。
困っていたハルの耳に、どこからか「猫の事務所を探して」とキレイな声が聞こえてきました。
この声の正体こそ、ユキちゃんというネコでした。
ここから、ハルとバロン、ムタ、トトと冒険の物語が始まります。
そんなユキちゃんですが、実は死んでいるという怖い噂があるのです。
確かに声だけしか聞こえなかったですし、死んでると言われたらそうかもと思ってしまいますが…
本当のところはどうなのでしょうか?
今回はユキちゃんについて詳しくご紹介します!
「猫の恩返し」に出てくるユキちゃんとは?

ユキちゃんは猫の国に住んでいるネコ。
その特徴はなんといっても美しい白い毛に青い目でしょう。
スラっとした体型で、とても上品な出立ちをしています。
彼女は猫の国のお城で給仕の仕事をしています。
おそらく、そこでルーン王子と出会い婚約する仲にまでなるのです。
「猫の恩返し」で描かれたユキちゃんとハルの出会いは、実はハルが子供の頃でした。
小学生だったハルがお気に入りのクッキーを食べながら家に帰っていると、後ろから白い子ネコがついてきました。
汚れてしまっていますが、とても可愛らしい子ネコ。
この子こそ、小さい頃のユキちゃんでした。
ハルはユキちゃんにクッキーをあげ、ムシャムシャ美味しそうに食べる姿を見て嬉しそうでした。
またユキちゃんの方も、ハルのおかげで飢死せずに済んだと恩を感じていました。
その恩返しとして、ハルが猫の国に連れて行かれそうになって困っている時に、助けの声を出したのです。
「猫の恩返し」とは、ユキちゃんによる恩返しという意味も込められていたのですね!
車に轢かれそうなネコを助けたことでとんでもない目に合わされたハルは
「ネコなんか助けなきゃよかった」
と、後悔していました。
しかし、ユキちゃんと再会して彼女が幸せになっている姿を見ると
「やっぱりネコを助けてよかったのよ!」
と、自信を取り戻すきっかけにもなっていました。
ハルにとってはユキちゃんも恩人なのかもしれませんね。
ユキちゃんが死んでる!?噂を確かめてみた

そんなユキちゃんでしたが、先述の通り「実は既に死んでいる」という衝撃的な噂が…
この話しは本当なのでしょうか?
ここで彼女が死んでるという噂の検証のために、まず原作を確認してみましょう。
「猫の恩返し」には「バロン – 猫の男爵」という原作がありますが、その中でハルとユキちゃんの関係は「猫の恩返し」とは違っているんです。
ユキちゃんはハルの飼いネコという設定。
そして残念なことに、ユキちゃんは交通事故で死んでいたという衝撃的な事実が描かれていたのです。
つまり「猫の国」とは、死んでしまったネコが行く場所なのです。
「猫の恩返し」で原作と設定を変えたワケ

ところで、映画の「猫の恩返し」ではユキちゃんが死んでるという設定は明確に描かれていませんでした。
ここには製作上の理由があったようで…
実は「猫の恩返し」全体に漂う明るい雰囲気を壊さないように、死んでるという設定はあえて入れなかったそう。
確かに「猫の恩返し」は主人公ハルの大ピンチを描いてはいるものの、面白おかしく、明るい雰囲気で物語が進んでいきますよね。
そこに、ユキちゃんが死んでるという設定を加えてしまうと、少し重い空気になってしまうかもしれません。
それを配慮した設定の変更だったのですね。
作者の柊あおいさんは、
「ペットを亡くしてしまっても、その子たちは別の世界で楽しく暮らしている」というイメージで描かれたそう。
「猫の恩返し」で表現された猫の国はとても美しいところでしたよね。
猫の国に行くのを嫌がっていたハルも、あまりの美しさと気持ち良さに思わず芝生に寝転んでしまうほど。
そのシーンは「猫の恩返し」のポスターにもなっているほど、印象的なシーンでした。
猫の国には死んでるネコはもちろん、生きてるネコも入ることができます。
確かにハルたちも入ることができていましたもんね。
最大の違いは、死んでるネコは国の外には出られない、という点。
とすると、現実世界には声しか聞こえなかったユキちゃんは…やっぱり死んでるからでしょうか?
もしかしたら「猫の恩返し」の中で猫の国の意味については明らかになっていなかったものの、
ユキちゃんが死んでいるという点は変えなかった…のかもしれませんね。
まとめ

「猫の恩返し」の重要キャラクター、ユキちゃんが実は死んでいたという衝撃の説を検証しました!
作品全体のイメージを考えた上での細かい設定変更があったのですね。
ただ個人的には、猫の国は死んでるネコが行く場所という設定が明らかになっていても、
それはそれで面白い話しになったのではないかなと思います。
気になる方はぜひ、原作の方も手に取ってみてくださいね。