©︎野坂昭如/新潮社,1988

スタジオジブリ作品の名作「火垂るの墓」。

作品を観るたびに涙してしまう…そんな人も多いんじゃないでしょうか?

今回は「火垂るの墓」にまつわる数ある都市伝説の中でも、特に怖い怖いと言われるポスターの都市伝説について紹介します。

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「火垂るの墓」のポスターにはこんな真実が…黒い飛行機の正体

「火垂るの墓」のポスターは、タイトルの横に暗い草原の中で主人公の清太と妹の節子が蛍と戯れている様子が描かれたポスターです。

一見微笑ましいポスターなのですが、ある「怖い真実」が隠されているという都市伝説があるのです。

その怖い真実の都市伝説とは、なんと2人の頭上に飛行機が見えるというものです。

都市伝説の真実を検証するためにポスターの画像解析をした人まで現れました。

それを見ると、確かに黒い飛行機が。背景に絵が隠されており、しかも黒い影となると怖いですね…

この飛行機はおそらくB29戦闘機だと言われています。意味を知ると怖いという所以はこのことだったのですね。

ちなみに、これがB29であると示しているのはなんと「蛍の光」。

一見全て蛍の光のように見えますが、よく見ると光によって形が異なっていることがわかります。

この縦長の光こそ、B29が落とした焼夷弾だったのです。こんなに怖い真実が隠されていたとは驚きです!

「火垂るの墓」が公開されてから時を経て都市伝説として明らかになったポスターの真実。

これがTwitterでも大きく取り上げられ、すぐさま怖いと話題になりました。

「鳥肌…怖い」

「全然気がつかなかった。まさに火が垂れてる」

「真実を今更理解した」

「怖い、ゾクっとした」

などなど…怖いという意見が多くある中、火には浄化のイメージもあることから「魂の光」と捉える人も。

都市伝説から真実を知った時に最初は怖いと思ってしまいますが、清太と節子の笑顔からどこか温かみのある光にも見えますね。

「蛍の墓」ではなく「火垂るの墓」なのは何故?タイトルに込められた怖い意味

©︎野坂昭如/新潮社,1988

ポスターの都市伝説と共に「火垂るの墓」というタイトルの意味についても語られています。

「火垂るの墓」の中にはタイトルの通り蛍が多く登場します。

しかし、タイトルを「蛍」としなかったのにはどんな意味があるのでしょうか?

タイトルに入っている「火垂る」。

これをそのまま直訳すると…「火が垂れる」という意味になります。

この意味から考えると、ポスターの中に登場する(空中に落とされた)爆撃弾と蛍の光を重ねてタイトル化したと考察できるのです。

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そして都市伝説になったポスター上の「火の玉」に見える物体。

これは火が垂れているような形になっており、タイトルの意味と合致しますね。

「火垂るの墓」は駅構内で力尽きて亡くなった清太の描写からスタートします。

清太が持っていたドロップ缶には小さな骨が。その骨から蛍が飛んでいき、2人の記憶を遡っていく流れでした。

また「火垂るの墓」の中で清太と節子が2人暮らしを始めた時に夜の空に飛行機を見るシーンでは、清太は特攻機だと言いましたが、節子はその明かりを見て次のように言いました。

うわー、蛍みたい

特攻機」とはその名の通り、相手の陣に突っ込む飛行機のこと。蛍も寿命は短く、どちらの明かりも死が近くにあることを意味しているように考察されます。

そう考えると温かみのある蛍の光さえも怖く感じてしまいますが、蛍が重要な意味を果たしていたのは確か。

「蛍」と「火が垂れる」を掛け合わせたタイトルにしたのも納得でしょう。

結局、ポスターやタイトルの都市伝説って真実なの?

©︎野坂昭如/新潮社,1988

ポスターに隠された怖い真実を語るこの都市伝説。

タイトルの意味と併せて、その真実は明らかになっているのでしょうか?

「火垂るの墓」が公開されたのは1988年ですが、ポスター製作時の状況を知っている人間がおらず確かな回答ができないとのこと。

では、この説はいつまでも都市伝説の域を出ないのか?

そんな中、とある話が見つかったのです。

ポスターの爆撃機を隠す意図はなかった

公式には名言されていないものの、こちらは映画制作にあたったスタッフのインタビューによるもの。

ポスターの原画でははっきりとB29の姿が見えていたそうですが、印刷の結果見えにくくなってしまったようなのです。

そのような経緯があったことから、むしろポスターの明かりが全て蛍に見えていたことに逆に驚いたとも語っています。

また、タイトルの意味に関しては原作の著者である野坂昭如さんがこのように話しています。

「しんみり、しつとり」私小説、題名は「蛍の川」とし、すぐ伊藤桂一の受賞作「蛍の河」に思い当り、しかし蛍に執着があった。百科辞典をひくと、古語に「火垂る」、火が垂れる、つまり空襲、すぐ「墓」とつづいた。

そう、「火垂るの墓」は空襲の爆撃のイメージと蛍の光の意味を結びつけられたタイトルになっているようです。

と言うわけで、ポスターの都市伝説は実話であることが判明しました。

確かに怖い話ですが、タイトルの意味も含めてその真実は意志を持って作られていたのです。

まとめ

©︎野坂昭如/新潮社,1988

今回は「火垂るの墓」のポスターの真実、そしてタイトルの意味にまつわる都市伝説についてでした。

戦時中を描いた作品なので都市伝説も怖いと思われがちですが、人によって見え方が違う爆撃の光を蛍の光と重ねて表現した「火垂るの墓」。

観れば観るほど考えさせられる映画になっています。

タイトルの意味やポスターの他にも、知らない真実や都市伝説が隠されているかも?

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