アニメーション映画として有名な「風の谷のナウシカ」。
ですが、宮崎駿監督が描いた漫画が映画の原作だと知る人はどれくらいいるのでしょうか?
原作名も映画と同じく「風の谷のナウシカ」。
全7巻になっていて、映画は第2巻の前半までをアニメ化したものです。
ところでこの漫画。
作風や絵の雰囲気がかなりグロいことで知られており、映画とはまた違った面白さを感じられます。
ここでは「風の谷のナウシカ」の原作がグロいと言われる理由をみていきましょう。
原作で思い知る「腐海の森」の恐ろしさ
「風の谷のナウシカ」の世界には腐海と呼ばれる森があります。
腐海は人間にとって有毒なガス「瘴気(しょうき)」が立ち込めており、マスクをしなければすぐに死んでしまうほど。
映画でも瘴気についての説明はありましたが、瘴気で人が死んだ描写はありませんでした。
しかし原作「風の谷のナウシカ」ではその毒がどれだけ恐ろしいかがグロいほどに描かれています。
トルメキアの船に乗っていたナウシカたちが腐海で濃い瘴気に襲われ、皆急いでマスクをします。
しかし慌ててマスクをつけられなかったトルメキア兵が瘴気を吸い込んでしまい、瀕死状態に。
肺がやられてしまったようで口から血を吹き出しています。
この絵がまたグロいですね…
その血には瘴気の毒が含まれているので仲間は誰も触れようとしません。
しかしそんなグロい状況の中、ナウシカの母性・愛が爆発するのです。
わずかな気力で助けを求める兵士の元にかけより、なんと口で直接血を取り除いていたのです。
この行動には周囲の人間もただただ驚くばかり…
ナウシカのおかげで兵士は命を取り止めたのです。
「風の谷のナウシカ」の原作ではこういったナウシカの母性愛についても多く描かれています。
「風の谷のナウシカ」の原作だけに登場する国や人。特にグロいのは…
映画「風の谷のナウシカ」では風の谷・トルメキア・ペジテの3国が登場。
しかし原作では「土鬼(ドルク)諸国」という国が出てきたり、腐海の中に住む「森の人」など原作限定の人物も多く出てきます。
その中でも特にグロいと思われるのは「蟲使い」ではないでしょうか。
その名の通り、彼らはナメクジのような蟲たちを操ることができます。
歯に特殊な加工がしてあり、そこから出す音で蟲たちに指示を出しているのです。
さらに蟲を使って、遺跡やお墓から金品を探しながら暮らすという驚きの生活ぶり。
その身体からは悪臭が漂い、誰も近寄ろうとしません。
そしてお墓や死体を暴くことから忌み嫌われる存在なのです。
他にもグロいと言われるのは、蟲使いが操る蟲たち。
ナウシカもナメクジのような蟲に身体をはわれています。
そのシーンは音や絵のタッチがグロい表現となっていて、思わず鳥肌が立ってしまう程…
しかしそんな蟲使いでさえも、ナウシカの虜になっていくのです。
それを象徴したのが「風の谷のナウシカ」の物語後半。
蟲使いたちはナウシカを助けにいくための飛行機に乗り込む際、重量オーバーだと断られてしまいます。
すると蟲たちを殺して身ひとつとなり、ナウシカを助けに飛行機に乗り込んだのです。
蟲使いたちにとって蟲は命の次に大切なもの。
その大事な蟲を殺してでもナウシカを助けに行くことを選んだわけです。
ナウシカがどんなに愛され慕われているか、それがうかがえるシーンでした。
原作「風の谷のナウシカ」で暴走する腐海の蟲たち
映画でも腐海の蟲たちが人間を襲うシーンはいくつかありました。
「風の谷のナウシカ」の冒頭ではユパが王蟲に襲われたり、腐海の森の中でアスベルがヘビケラに食べられかけたり等…
原作「風の谷のナウシカ」でも蟲は人間を襲ってきますが、その襲い方が凄まじくグロいと話題になっています。
蟲たちは容赦なく人間に襲いかかり、腕や脚が千切れているシーン等も多く見受けられますしね。
よりリアルを追求する宮崎監督のこだわりなのかもしれません。
ただ、グロい表現が苦手な人は避けたくなるようなシーンばかり。
また、ナウシカが蟲に食べられてしまうシーンもありますが、その食べられ方も大変生々しい描写になっています。
昆虫が苦手な人はまともに見れないかもしれません。
さらに「風の谷のナウシカ」で暴走するのは蟲だけに限らず。
生きるために、欲しいものを手に入れるのに必死な人間までも暴走するのです。
その結果、戦争が起こって多くの人間が逝去。
ユパもその争いに巻き込まれた1人で、最後は腕を失い人間たちによって殺されてしまうのです。
まとめ
「風の谷のナウシカ」の原作がグロいと言われる理由をお分かりいただけたでしょうか。
宮崎駿監督のこだわりを強く感じる表現ではあります。
が、流石にそういったシーンまでは映画で実現できなかったようですね…
原作の「風の谷のナウシカ」には残酷な描写も多いですが、一度読んだだけでは理解しきれない部分が多々あります。
これが何度も読みたくなる魅力でしょう。
まだ読んだことのない方、グロい表現も大丈夫という方は一度読んでみることをオススメします。