魅力的なヒロインが数多く存在するスタジオジブリ作品。
その中でも特に悲しい生い立ちを持つのは「もののけ姫」ではないでしょうか。
「もののけ姫」という名前通り、山奥でもののけたちに育てられた少女サン。
今回はそんなサンの生い立ちについて詳しく調査してみました!
サンはどうして「もののけ姫」になった!?過酷すぎる生い立ち
「もののけ姫」のヒロイン、サン。
彼女の生い立ちが物語の中でハッキリと描写されたシーンはありません。
しかし、エボシやモロのセリフからおおよそ推測することができます。
アシタカが初めてエボシからもののけ姫の存在を教えてもらった時、
「山犬に心を奪われた、哀れな娘だ」とエボシは言っていました。
つまり「もののけ姫」には人間の心は残っておらず、山犬になりきっているということでしょう。
しかし、もちろん見た目は人間のままで山犬にもなりきれない。
そのことについて「哀れ」という表現をしているのでしょうね。
そしてサンの生い立ちが垣間見えたのはモロのある言葉でした。
「森を侵した人間が我が牙を逃れるために寄越した赤子がサンだ」
これはアシタカがモロに対し、サンを人間の世界に戻すように訴えた時のこと。
エボシが繁栄させてきたタタラ場。
そのためには森を切り開く必要がありました。
しかしシシ神の森にはモロたちをはじめ、様々な神や生き物が住んでいるので森の破壊によって神々はもちろん怒りました。
その怒りを治めるために、生まれたばかりのサンを山に捧げたのです。
つまり「生贄」です。
サンの実年齢は15歳とされています。
彼女の生い立ち…それは人間が森を切り開くため、生まれてすぐに山に捨てられてしまうという過酷なものでした。
15年もの間、森の中で山犬に育てられて「もののけ姫」になったサン。
そんな生い立ちを考えると、人間を憎むのも致し方ないように思えてしまいます。
「もののけ姫」か「人間」か。サンの迷い
人間に対して憎しみと怒りを抱いているサン。
しかしアシタカと出会って以降、迷いが生まれていたのです。
それまで彼女は「自分は山犬だ」と言い聞かせているようでした。
もちろん誇りを持ってそう思ってきたのでしょう。
しかし心のどこかで、もう人間としては生きられないと諦めていたのかもしれません。
ところがアシタカはサンの生い立ちを聞いても尚、ヒトとして接してくれました。
人間から「もののけ姫」と呼ばれ続けていた中、サンと名前で呼んだのは彼だけ。
彼女はそんなアシタカから「人間として生きても良い」と、新たな選択肢を与えられたのです。
人間の攻撃が始まった頃。
目の不自由な乙事主(おっことぬし)の目になりに行くと、モロに別れを告げたサン。
モロは「それで良い。お前にはあの若者と生きる道もある」と言いました。
つまりモロも、ヒトとして生きることに同意してくれたということですね。
生い立ちを語った母親モロはおそらく、彼女の未来を見据えていたはず。
自分の娘だと言いつつも、サンには二足歩行や人間の言葉を教えてきたのですから。
これはサンが人間として生きていくための準備であったと推測されます。
サンの生い立ちを知っているモロだからこそ、人間として生きて欲しいと思ったのかもしれません。
サンの生い立ちにエボシが欠かせない!?「もののけ姫」の都市伝説
過酷な生い立ちを持っていたサンですが、彼女の生い立ちに関してある都市伝説が存在します。
それは、サンとエボシが親子ではないかという説。
確かに「もののけ姫」でタタラ場を切り開いてきたのはエボシでした。
彼女の経歴について「もののけ姫」の中では描かれていないものの、実は宮崎監督が書いた裏設定が見つかっています。
なんと彼女…かつて海外に売られて海賊の頭の妻をしていたのです。
しかしその後、夫を殺して石火矢と共に帰ってきました。
本当にたくましくて聡明な女性ですね!
そして自分と同じように売られた女性たちや難病の人たちを受け入れる仕事を作り、村を発展させてきたのです。
一時的とはいえ、まさかの夫持ちだったエボシ。
となれば、その時に子供を授かっていたとしても決して不思議ではありません。
サンの生い立ちとエボシの年齢を考えると答えが導けそうですが、残念ながらエボシの年齢は分からずじまい。
ですが、エボシは冒頭で紹介したセリフの前にこんなことを言っていました。
「森に光がさして山犬たちが静かになれば、ここは恵まれた国になる。古い神が消えればもののけ達もただの獣だ。もののけ姫も人間に戻るはず」
ここからエボシはタタラ場の発展と同時に、サンが人間に戻ることをも望んでいたと推察できます。
都市伝説通り、サンがエボシの娘だとすればこれは自然な願いではないでしょうか。
まとめ
以上、「もののけ姫」として壮絶な生い立ちを背負うサンについて紹介してきました。
生まれてすぐに生贄にされてしまったサン。
それだけを考えると大変辛い生い立ちではありますが、結果的に彼女は生き続けました。
あくまでイメージですが、「生贄」といえばその名の通り神様たちに食い殺されてしまうのではないでしょうか。
しかし、モロはサンを実の娘のように育てていました。
その理由も気になりますよね。
というわけで、また次の記事でお話ししたいと思います。