スタジオジブリの大ヒット作品「ハウルの動く城」。
タイトルにもなっているそのお城は、まるで生きているように動く不思議な建物。
そこでは3人が暮らしていました。
主人公のハウル、マルクル、そしてカルシファーです。
彼らは一体なぜ一緒に暮らしているのでしょうか?
今回は、それぞれの正体にも迫っていきましょう!
主人公ハウルがいくつも名前を持っているのはなぜ?
「ハウルの動く城」の主人公、ハウルは超イケメンの魔法使い。
その住まいは「ハウルの動く城」と呼ばれ、その名の通り、まるで生きているように歩きながら移動するお城に住んでいます。
お城のドアには4色のダイヤルが。ダイヤルを青に合わせてドアを開けると、港街に。
緑に合わせて開ければ、主人公ソフィが育った街に。
そして赤に合わせれば、そのドアは王の都、キングズベリーに繋がるのです。
そんなとっても不思議なドアですが、好きな場所に一瞬で行けるなんて楽しいし、何より便利ですよね!
でも様々な場所に繋がるようにしていたのには、理由がありました。
魔法使いの師匠であるサリマン先生からの召集は、面倒だから応じたくない。
自分の心臓を狙う荒地の魔女は、怖いから会いたくない。
部屋には魔女よけのまじないだというガラクタがびっしり。
あのイケメンな容姿からは想像できないほどワガママで臆病な性格・・・。
そのため、港街では「ジェンキンス」という名前で、街の人に魔法の薬を作っていたり。
一方で、キングズベリーでは「ペンドラゴン」という名前の魔法使いになっていたり。
どこにいるかバレないよう、複数の名前を使って正体を隠しながら「ハウルの動く城」で暮らしていたのです。
可愛いけどちょっと怖い?カルシファーの正体とは
もう1人の住人、カルシファーは「ハウルの動く城」内の暖炉にいる炎の悪魔。
彼の魔法の力もとても強く、あの巨大なお城をも動かしています!
カルシファーはソフィにからかわれて拗ねてしまったり、自分のことを「おいら」と呼んだり・・まるで子供のよう。
逆に褒められれば、照れながらもめちゃくちゃ喜ぶ、お調子者です。
そんな個性的なキャラ、カルシファーの正体とは一体何なのでしょうか?
物語冒頭から、少しヒントは出ていました。
それは、お婆さんになってしまったソフィが「ハウルの動く城」に入り込んだ時。
2人は、とある取引をしました。
それはソフィがカルシファーの契約を見破ること。
その契約が解けたら、今度はカルシファーがソフィの呪いを解くこと。
このカルシファーの契約こそが、彼の正体の鍵となっていました。
その正体が明かされたのは物語終盤。
ソフィは過去に通じる不思議なドアに入りました。
そこには子供の頃のハウルが。
満天の星空からひとすじ、ひと際明るい星のようなものが彼の手に落ちました。
そして彼がその星を飲み込んだ瞬間、彼の胸元から真っ赤な物体が生まれたのです。
この炎こそが、カルシファー。
その正体は、ハウルの心臓だったのです。
子供の頃の心臓だったから、カルシファーの性格や言動が幼く、可愛く感じられるのでしょう。
ハウルは魔力を得るために悪魔と契約し、心臓を捧げたのです。
これによって彼は強力な魔力を手に入れることができました。
しかし一方で、その魔力は心をなくした彼の体を飲み込んでしまおうともしていました。
悪魔の力に飲み込まれてしまうと、あの美しいハウルからは全く想像ができない、鳥のような化物の姿となってしまうのです。
自分の正体が「醜い化物」だということを知られないよう、彼は必死でコントロールしていました。
マルクルの正体に隠された悲しい過去
さて、もう1人。「ハウルの動く城」に一緒に住んでいる少年マルクル。
その正体は「ハウルの動く城」の中では説明されていませんでした。
彼が初めて登場した時、正体はわからないものの、来客への対応もしっかりしていて大人びた印象を持ちました。
ところが物語が進むにつれ、マルクルは次第にソフィに心を開いていくようになります。
すると、最初のしっかり者の印象は一転。
子供らしい幼さ、可愛さがどんどん溢れ出てくるのです。
声優を務めた神木隆之介さんの可愛らしい声も相まって、母性本能をくすぐられまくっていました。
そんなマルクルはハウルのことを「師匠」「お師匠様」と呼びます。
つまり、彼らは子弟関係なのですね。
なぜ魔法使いの弟子になったのか、それも「ハウルの動く城」の中では明らかにされていませんでした。
だからこそ、マルクルの正体がいまいち掴めなかったんですよね。
彼の正体が明らかになっていたのは「ハウルの動く城」の原作の中でした。
「ハウルの動く城」は「魔法使いハウルと火の悪魔」というタイトルの小説が元になっています。
小説の中では、マルクルが幼い頃に母親は病死。
父親も仕事に行ったまま帰ってくることなく、孤独の身でした。
親戚にも邪険にされ、他に頼る当てがなくなってしまいます・・。
もちろん家賃も払えずにホームレスとなってしまい、呆然と空き家のドアによりかかっていました。
すると!そのドアが「ハウルの動く城」と繋がっていることに気が付いたのです。
そのまま「ハウルの動く城」の中に入ったマルクルはそこで生活するようになり、弟子となったのです。
あの可愛くて無邪気なマルクルの正体が、まさかこんなに切ない過去を持った少年だったなんて・・。
そんなことを感じさせない子になったのは、きっとハウルとカルシファーのおかげなのでしょうね。
まとめ
「ハウルの動く城」に住む3人について、彼らの関係性や正体についてご紹介しました。
それぞれに悲しい過去があったとは・・・。
特に、マルクルの正体や魔法使いの弟子になった経緯は、映画だけではわからなかったのでスッキリしましたね。
原作を読んでから観る「ハウルの動く城」は、今までより更に楽しめること間違いなし!
ぜひ原作も手に取ってみてくださいね。