13歳の魔女が一人前の魔女になるための修行を描いた物語「魔女の宅急便」。
キキの明るい笑顔や前向きな性格に元気をもらえる物語ですが、物語中盤から様々な異変が訪れます。
まず、相棒として旅を続けてきた黒猫ジジが喋れなくなり、さらに商売道具でもある箒(ほうき)に乗って空を飛べなくなるのです。
キキはなぜ空を飛べないのか?
今回は、ジジが喋れなくなった理由と合わせて調査しましたのでお楽しみください!
「魔女の宅急便」の仕事を始めたキキがある日突然飛べなくなった!?
魔女の修行のために訪れたのは「コリコ」という海の見える街でした。
それまで住んでいた田舎とは違い、人も車も多く賑やかな街です。
最初は戸惑いましたが、親切なパン屋のオソノに部屋を貸してもらうことができ、電話を引いて仕事を始めます。
キキが使えるたった1つの魔法、空を飛ぶことを活かした「魔女の宅急便」を開きました。
「魔女の宅急便」にも慣れてきた頃、ある日相棒の黒猫ジジの異変に気がつきます。
それまで人間の言葉で会話をしていたジジが、ヒトの言葉を喋れなくなったのです。
普通の猫と同じように「ニャー」と鳴くジジ。
嫌な予感がし、急いで箒に跨りました。しかし予感は的中し、空を飛べなくなったキキ。
なぜ飛べなくなってしまったのか、ジジと喋れなくなったのかは自分でも理由がわかりません。修行中の身で、しかも「魔女の宅急便」を仕事としているのに魔法の力を弱めてしまうなんて・・・。
ジジも喋れないので相談することができず、ひどく落ち込んでしまいます。
飛べない理由、また、ジジが喋れなくなった理由は一体何なのか?
「魔女の宅急便」を通してキキに起こった変化
飛べなくなった理由についてはいくつか説があるので紹介します。
理由1)恋をしたから
トンボへの恋。これが飛べなくなった理由として最も有力な説です。
トンボと2人で自転車に試乗するシーンがありますが、トンボと2人の時にはいつもの明るい笑顔。
トンボの自転車を浮かせる力もあったキキでしたが、他の女の子たちが来ると態度が一変。
トンボが女の子と楽しそうにしているのを見ると苛立ってしまい、1人で帰ってしまいました。
また、女の子たちはカラフルでオシャレな洋服を着ています。魔女の決まりで黒い服以外着られないキキはさらに嫉妬してしまうのでしょう。
これらのヤキモチが飛べなくなった理由として挙げられています。
また、キキ自身がなぜ苛立っているのかわからないことも心の不安となり、飛べない理由になっていると推測されます。
理由2)身体の成長
飛べなくなったもう1つの理由として挙げられていたのは、キキの身体の変化です。
箒に跨って飛べないことを確認した際、一瞬キキが下腹部に手を当てる仕草をするシーンがあります。
「魔女の宅急便」の中で明確に描かれたわけではありませんが、このシーンからキキが「初潮を迎えた」ことが理由なのではと推測されています。
キキはすでに13歳で、初潮があっても不思議ではない年齢。
理由3)心の迷い
飛べなくなったのは「魔女の宅急便」のある仕事の後でした。その仕事とは、お婆さんが孫の誕生日のために焼いたニシンのパイを届けに行く仕事でした。
お婆さんが心を込めて一生懸命作ったニシンのパイ。キキも手伝って焼き上げ、雨に濡れないようにと自分はびしょ濡れになってもパイを濡らさないように庇いながら配達しました。
しかし孫娘は「これ嫌いなのよね」とぶっきらぼうな態度で受け取っています。
「魔女の宅急便」の仕事を始めてからは、届け先のみんなが喜んでくれていました。孫娘もきっと喜んでくれると思っていたキキにとって大きなショックだったのではないでしょうか。
また、飛べなくなった時に丘の上で飛ぶ練習をしていた際、お母さんに貰った大事な箒(ほうき)も折れてしまいました。
これらのことから「魔女の宅急便」を続けるべきか迷いが生まれたのかもしれません。
以上が、キキが飛べなくなった経緯だと考察されています。
キキが飛べないのは様々な心や身体の不安が重なったことが理由だったようです。
「魔女の宅急便」では明確に描かれなかったキキとジジの関係
そしてジジが喋れなくなったことも、飛べない理由と大きく関係していると言われています。
喋れなくなったことについても様々な推測があるものの、最も有力視されているのが「トンボに恋をした」こと。
実は「魔女の宅急便」の原作小説でもキキはジジと喋れなくなったものの、その理由は恋だったのです。
それまではジジと会話することで不安や寂しさから気を紛らわせていましたが「魔女の宅急便」を始めたことで沢山の人と出会い、様々な経験を積みました。
ジジと喋れなくなったとしても他の相談相手がいたり人の気持ちを考えるようになったキキ。「魔女の宅急便」での経験がキキを成長させ、ジジと会話することが必要なくなったのかもしれません。
これらのことを鑑みると、ジジが人間の言葉を喋れないのではなく、キキがジジの言葉を「理解できなくなった」という方が適切でしょう。
が、たとえジジが喋れなくなっても2人の絆は変わりません。
「魔女の宅急便」のラストシーンでもジジはキキの肩に乗って頬を摺り寄せていて、2人は変わりなく理解し合えている様子でした。
ジジが喋れなくなった理由でもう1つ挙げられているのは、「ジジの恋」。
「魔女の宅急便」の中でジジは近所に住む白猫(リリィ)と恋をします。
ジジもキキのパートナーとしてだけではなく、猫の人生を歩むために「人間の言葉を喋れなくなった」という考察もありました。
まとめ
「魔女の宅急便」の中で印象深いのは「魔女の血」の話です。
絵描きのウルスラの家に泊まりに行った時の会話中、キキは魔法とは何なのかを今まで考えたこともなかったと言います。
ジジと喋れなくなったこと、飛べないことによってキキは初めて生まれ持った魔女の血が何なのかを考えたのです。
最後はトンボを助けたいという明確な理由から自分の力を信じ、お母さんの箒でなくても再び飛べるようになったキキ。
一方の喋れないジジも自分の世界を持ちながらキキとの生活を続けていったのです。
と言うわけで、今回は「魔女の宅急便」でキキが飛べなくなったりジジが喋れない理由についての考察でした!