様々な神様たちが登場する「千と千尋の神隠し」。
その中で以外な注目を集めるキャラクター、それが「おしら様」です。
千と千尋の神隠しの中で、おしら様は「エレベーターに乗って湯婆婆のところへ行く千尋に救いの手を差し伸べた」。
ファンの間ではそんな声が絶えません。
なぜ、おしら様は助けてくれたのか。
そしておしら様の「正体」とは一体何なのでしょう?
おしら様がエレベーターで千尋を助けた理由とは?「千と千尋の神隠し」のシーンを振り返る
「千と千尋の神隠し」の作中で、生きていくには湯婆婆と労働契約を結ぶことがマストだと教えてもらった千尋。
湯婆婆はお湯屋の最上階に居るそうですが、お湯屋に初めて足を踏み入れた千尋はもちろん1人で行くことができません。
そこで、たまたま居合わせて千尋の正体が人間だと知ってしまった従業員のリンに案内してもらうことになりました。
「千と千尋の神隠し」の世界では人間は異色の存在。
正体が人間だということはお湯屋の従業員たちになぜか匂いで気づかれてしまうため、その正体がバレないようにと早歩きでお湯屋の中を動いてエレベーターを目指します。
1機目のエレベーターを降りて次のエレベーターに乗り継ごうとドアが空いた瞬間、目の前に巨大な白い体のお客様が現れました。
これが「千と千尋の神隠し」の中でおしら様と出会う初めてのシーンでした。
リンは笑って誤魔化して次のエレベーターに千尋を連れて行きますが、おしら様はなぜか2人の後をついてきます。
千尋はなぜおしら様が後ろをついて来るのかわからず「正体がバレてしまったのでは?」と不安そうな顔をしている一方、リンは気にせず進んでいきます。
何かに気がついた他の従業員がリンに声をかけました。
リンは返事をしながら千尋をエレベーターに押し込みます。するとなぜかおしら様もエレベーターに乗り込みました。
しかし、おしら様の巨体に隠れたおかげで正体が人間だと気づかれることなく、無事にエレベーターで目的地の最上階までたどり着くことができたのです。
最上階では千尋だけエレベーターを降りました。そしてなぜかおしら様と互いにお辞儀をした後、おしら様はそのままエレベーターに残ったままドアが閉まっていました。
神様ですが、人間にお辞儀をしてくれるなんてなんだか親近感が湧きますね。
このシーンを考察すると、おしら様は千尋の正体に気がつきながらも守ってくれたように見えますが、なぜ初対面でしかも正体が人間である千尋を助けてくれたのか?
おしら様の「正体」!モデルとされたのは現実でも伝承される神様
そもそも「千と千尋の神隠し」のおしら様の正体は何なのでしょう?
その正体は現実の世界でも信仰されている神様のようです。
青森や岩手などの東北地方で特に伝承されていて、諸説あるようですが農業の神様とのこと。
「千と千尋の神隠し」のおしら様を見てみると、なぜか朱色の杯のようなものを頭にかぶって全身は真っ白。
顔は頬あたりから大根のようなものが伸びており、その色や見た目から「大根の神様」だと思っていた人もいるのではないでしょうか。
その正体は農業の神様とされている点から「千と千尋の神隠し」ではあえて大根のような姿にしたのかもしれませんね。
また、おしら様は子ども好きの神様であるともいわれています。
そう考えると「千と千尋の神隠し」でなぜ千尋を助けたかの理由になりそうですね。
おしら様がエレベーターに乗ったのはただの偶然だった!?
「千と千尋の神隠し」のおしら様の正体、それは子どもが好きな神様ということがわかりました。
しかし、ここで気になる話が…
それは、おしら様がエレベーターに乗ったのは「ただの偶然だった」という説。
なぜこんな説が出てきたのでしょうか?
「千と千尋の神隠し」で最初におしら様と出会ったシーンをもう一度思い返してみると…おしら様はなぜか上に行きたいと言っていました。
リンから「このエレベーターは上には行かない」と聞いたおしら様は2人が上へ行くエレベーターに案内してくれると思い込み、ついて行っただけなのではと推測されるのです。
湯婆婆の居る最上階へ着く直前、1つ下の階でエレベーターのドアが開いた時にもキョロキョロと辺りを見回していました。
実は単純にただの好奇心として上の階を見てみたかった。
そんな考察もいささか不可能ではないですよね。
まとめ
今回は「千と千尋の神隠し」で囁かれるおしら様の正体、そしてなぜ千尋を救ったのかについて考えてきました。
おしら様の好奇心だったという説もあるものの「千と千尋の神隠し」で千尋がオクサレ様という神様のお世話に大成功した瞬間、おしら様もあの大きな身体を揺らしながら喜んでくれていました。
彼が農業の神様で子ども好きだったという正体を知ると、なぜ彼女を見守ってくれたのかもしっくり来ますね!
ちなみに「千と千尋の神隠し」の作中でおしら様が「2人出てくるシーン」が存在するという噂も。
なぜ2人なのかはわかりませんが、また新たなネタの予感が…
これを機に作品を見返してみてはいかがでしょうか。